各項目ごとに「公式」→「例題」→「解答の流れ」をセットにしています。実際に数字を追いながら公式の使い方を確認してください。
関数 f(x) の導関数 f'(x) を求めるルール:
| 関数 f(x) | 導関数 f'(x) | ルール名 |
|---|---|---|
| xn | n xn−1 | べき乗の微分 |
| a f(x) | a f'(x) | 定数倍 |
| f(x) + g(x) | f'(x) + g'(x) | 和の微分 |
| f(g(x)) | f'(g(x)) · g'(x) | 連鎖律(合成関数) |
| ex | ex | 指数関数 |
| log x | 1/x | 対数関数(自然対数) |
問題: f(x) = 3x3 + 2x2 − 5x + 1 を微分せよ
① 各項をべき乗の公式で微分する:
② 答え:f'(x) = 9x2 + 4x − 5
問題: f(x) = (2x + 3)4 を微分せよ
① 外側の関数と内側の関数に分ける:
② 連鎖律 f'(g(x)) · g'(x) を適用:
③ 答え:f'(x) = 4(2x + 3)3 × 2 = 8(2x + 3)3
f(x, y) の偏微分:
記号 ∂(ラウンドディー)は偏微分を意味する。普通の微分の d との違いに注意。
問題: f(x, y) = 3x2y + 2xy3 − 4x + y について、∂f/∂x と ∂f/∂y を求めよ
① ∂f/∂x を求める(y は定数扱い):
∂f/∂x = 6xy + 2y3 − 4
② ∂f/∂y を求める(x は定数扱い):
∂f/∂y = 3x2 + 6xy2 + 1
| 公式 | 意味 | 条件 |
|---|---|---|
| P(A) = 該当する場合の数 / 全体の場合の数 | 事象 A が起きる確率 | 各事象が同様に確からしい場合 |
| P(A∪B) = P(A) + P(B) − P(A∩B) | A または B が起きる確率(加法定理) | 一般の場合 |
| P(A∪B) = P(A) + P(B) | 加法定理(排反事象) | A と B が同時に起きない場合 |
| P(A∩B) = P(A) × P(B) | A かつ B が起きる確率(乗法定理) | A と B が独立の場合 |
| P(A̅) = 1 − P(A) | A が起きない確率(余事象) | 常に成立 |
問題: 1個のサイコロを1回振るとき、「3以下の目が出る」確率と「偶数の目が出る」確率、そして「3以下 または 偶数」が出る確率を求めよ
① 各事象を整理する:
② A∩B(3以下かつ偶数)を求める:
③ 加法定理で P(A∪B) を求める:
P(A|B) = P(A∩B) / P(B)
読み方:「B が起きたとき A が起きる確率」= 「A かつ B の確率」÷「B の確率」
問題: あるクラス40人のうち、数学が好きな人は24人、英語が好きな人は20人、両方好きな人は12人いる。英語が好きな人の中で数学も好きな人の割合(確率)は?
A = 数学が好き、B = 英語が好き とすると:
P(A|B) = P(A∩B) / P(B) = (3/10) / (1/2) = 3/10 × 2/1 = 3/5 = 0.6(60%)
英語好きの20人中、数学も好きなのは12人 → 12/20 = 3/5 と一致!
P(A|B) = P(B|A) × P(A) / P(B)
| 記号 | 名前 | 意味 |
|---|---|---|
| P(A) | 事前確率 | データを見る前の A の確率(先入観) |
| P(A|B) | 事後確率 | データ B を見た後の A の確率(更新後) |
| P(B|A) | 尤度 | A が原因のとき B が観測される確率 |
| P(B) | 周辺尤度 | B が観測される全体の確率 |
問題: ある病気の罹患率は 1%(0.01)。検査の精度は「病気の人が陽性になる確率(感度)= 90%」「健康な人が陽性になる確率(偽陽性率)= 5%」。検査で陽性が出た人が実際に病気である確率は?
A = 病気である、B = 陽性 とすると:
① P(B) を全確率の公式で求める:
P(B) = P(B|A)×P(A) + P(B|A̅)×P(A̅) = 0.90×0.01 + 0.05×0.99 = 0.009 + 0.0495 = 0.0585
② ベイズの定理に代入:
P(A|B) = P(B|A)×P(A) / P(B) = 0.90×0.01 / 0.0585 = 0.009 / 0.0585 ≈ 0.154(約15.4%)
③ 解釈:陽性でも実際に病気である確率はわずか約15%!
罹患率が低い(1%)ため、偽陽性の人数が実際の病気の人数を大きく上回る。これがベイズの定理の直感に反するポイント。
| 概念 | 定義・公式 | 例 |
|---|---|---|
| ベクトル | 数値を一列に並べたもの | a = (2, 3, 1) |
| 内積 | a · b = a₁b₁ + a₂b₂ + … + aₙbₙ | (2,3)·(4,1) = 2×4 + 3×1 = 11 |
| 行列 | 数値を長方形に並べたもの(m行×n列) | 2×2行列、3×3行列等 |
| 行列の積 | 左の行ベクトルと右の列ベクトルの内積 | 下記の例題参照 |
| 転置行列 | 行と列を入れ替えた行列(AT) | 行と列をひっくり返す |
問題: a = (3, 2, 1) と b = (1, 4, 5) の内積を求めよ
a · b = 3×1 + 2×4 + 1×5 = 3 + 8 + 5 = 16
対応する要素同士をかけて、全部足すだけ!
問題: 次の行列 A と B の積 AB を求めよ
A = [[1, 2], [3, 4]] B = [[5, 6], [7, 8]]
行列の積 = 「左の行」と「右の列」の内積
AB の (1,1) 成分:1×5 + 2×7 = 5 + 14 = 19
AB の (1,2) 成分:1×6 + 2×8 = 6 + 16 = 22
AB の (2,1) 成分:3×5 + 4×7 = 15 + 28 = 43
AB の (2,2) 成分:3×6 + 4×8 = 18 + 32 = 50
答え:AB = [[19, 22], [43, 50]]
E[X] = Σ xᵢ × P(xᵢ) = x₁P(x₁) + x₂P(x₂) + … + xₙP(xₙ)
各値 × その確率 を全部足し合わせる
問題: 公正なサイコロ1回の出目の期待値を求めよ
各目の確率はすべて 1/6 なので:
E[X] = 1×(1/6) + 2×(1/6) + 3×(1/6) + 4×(1/6) + 5×(1/6) + 6×(1/6)
= (1+2+3+4+5+6) / 6 = 21/6 = 3.5
サイコロを何回も振ると、出目の平均は3.5に近づく。
問題: あるくじの賞金と確率が以下のとき、期待値を求めよ
| 賞金 | 確率 |
|---|---|
| 10,000円 | 0.01 |
| 1,000円 | 0.05 |
| 100円 | 0.20 |
| 0円(ハズレ) | 0.74 |
E[X] = 10000×0.01 + 1000×0.05 + 100×0.20 + 0×0.74
= 100 + 50 + 20 + 0 = 170円
このくじ1回あたりの「平均的なリターン」は170円。くじの値段が170円より高いなら損!
| 分布 | 使う場面 | パラメータ | 例 |
|---|---|---|---|
| ベルヌーイ分布 | 成功/失敗の2択(1回) | p(成功確率) | コイン1回投げて表か裏か |
| 二項分布 | 成功/失敗の2択(n回) | n(回数)、p(成功確率) | コイン10回投げて表が出る回数 |
| 正規分布 | 連続的なデータ全般 | μ(平均)、σ(標準偏差) | 身長、テストの点数 |
| 標準正規分布 | 正規分布を標準化したもの | μ=0、σ=1 | 偏差値の計算等 |
問題: コインを5回投げて、ちょうど3回表が出る確率は?(表が出る確率 p = 0.5)
二項分布の公式:P(X=k) = ₙCₖ × pk × (1−p)n−k
n=5, k=3, p=0.5 を代入:
P(X=3) = 10 × 0.125 × 0.25 = 0.3125(31.25%)
| 分類 | 統計量 | 公式・定義 |
|---|---|---|
| 代表値(中心の位置) | 平均値 | x̄ = (x₁ + x₂ + … + xₙ) / n |
| 中央値(メジアン) | データを昇順に並べたときの真ん中の値 | |
| 最頻値(モード) | 最も頻繁に出現する値 | |
| 散布度(ばらつき) | 分散 | σ² = Σ(xᵢ − x̄)² / n |
| 標準偏差 | σ = √分散(分散の平方根) | |
| 標準誤差 | SE = σ / √n(標本平均のばらつき) |
問題: データ {4, 6, 8, 10, 12} の平均値、分散、標準偏差を求めよ
① 平均値を求める:
x̄ = (4 + 6 + 8 + 10 + 12) / 5 = 40 / 5 = 8
② 各データと平均の差(偏差)を求める:
| xᵢ | xᵢ − x̄ | (xᵢ − x̄)² |
|---|---|---|
| 4 | 4 − 8 = −4 | 16 |
| 6 | 6 − 8 = −2 | 4 |
| 8 | 8 − 8 = 0 | 0 |
| 10 | 10 − 8 = 2 | 4 |
| 12 | 12 − 8 = 4 | 16 |
③ 分散を求める:
σ² = (16 + 4 + 0 + 4 + 16) / 5 = 40 / 5 = 8
④ 標準偏差を求める:
σ = √8 ≈ 2.83
問題: データ {3, 5, 5, 7, 8, 8, 8, 10, 12} の中央値と最頻値を求めよ
中央値:データは9個(奇数)→ 真ん中は5番目 → 8
(昇順: 3, 5, 5, 7, 8, 8, 8, 10, 12)
最頻値:最も多く出現する値 = 8(3回出現)
全データの合計÷個数。外れ値の影響を受けやすい。
真ん中の値。外れ値の影響を受けにくい。年収の代表値などに適する。